スウェーデンBondtech社のエクストルーダーは、フィラメントの変形最小限に抑えながら、驚異のフィラメント押出力を発揮します。これまで、いろいろなエクストルーダーを試しましたが、Bondtechエクストルーダーは抜群のパフォーマンスを示してくれています。
まずはこのビデオをご覧ください。9.7kgまでフィラメントを引っ張っています。
エクストルーダーが原因の一般的な問題は、スリップや削りです。これらが発生するとノズルから正確な量の樹脂が出なくなり、プリントが失敗してしまいます。
Bondtechのユニークなエクストルーダーは、このような現象が起きないため、比類のないパフォーマンスを提供します。その仕組みは、最適化されたドライブギアの刃の構造と、ドライブギアと同じ刃を持つアイドラーギアがドライブギアとリンクして回転するというものです。
ハウジング部は、2つのドライブギアの押出力を逃がすことなくノズルに伝えるための専用設計です。頑丈でありながら、容易に分解できますので、日常のメンテナンスに支障を来すことはありません。
現在販売中のものはNEMA17遊星ギアを使う、8mmシャフト用のBondtechQRシリーズです。今回、Bondtech Miniという5mmシャフト対応のドライブギアがプレリリースされました。これにより、遊星ギアを使わないNEMA17モータに取り付けられるようになり、例えばMakerbot社のReplicator2/2Xシリーズに適用することが可能になります。5mmシャフト対応版は外形を従来の10mm程度から7mm程度にすることで、10mm版に比べて約1.4倍の力を得ることができるようになります。
5thジェネレーション以前のReplicatorシリーズをお使いの方や、Genkei社のAtomやTrinoなど、5mmシャフトもしくは8mmシャフトのモータをお使いの方で、最高のBondtechドライブギアへの換装をご希望の方は、弊社にご相談ください。
(例1) Makerbot社のReplicator2XにBondtech Miniを取り付けた例
(例2) Genkei社のTrinoにBondtech V2を取り付けた例
(例3) Prusa Research社のOriginal Prusa i3 MK2用にBondtech MiniのハウジングをカスタマイズしたXキャリッジの例
Prusaオリジナルは真鍮製のドライブギアにベアリングをバネの力で押し当てる標準的なもの。フィラメント出力部は少し隙間を空けてE3D V6内部に挿入されているPTFEが受ける構造。
Bondtech Miniエクストルーダーバージョン。フィラメント出力部は最小限の隙間になるようなハウジングデザイン。これによりエラストマー系を安定して押し出すことができるようになります。
(例2の実施例) Trinoのようなデルタマシンは構成方法によりスピードと精度が両立できますが、速度を上げるためにはエクストルーダの強力な押出力と、リトラクトスピードの両方が必要になります。
最大350mm/sで様々な形のプリントを可能にしたのは、Bondtechのエクストルーダーでした。
補足
ドライブギアはCNC機械加工によって精密に仕上げられ、精密焼入れにより硬さと高精度を両立しています。